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2007年9月24日月曜日

悔いは無い

私は元々、漫画家志望だった。
その夢を叶えるべく、高校卒業後、描いたマンガを片手に東京に上京して、出版社のプロに見てもらいに行ったことがある。

何件か出版社を廻って、ボロクソにけなされて、最後に挑んでいった出版社が、実は小学館だった。
なぜ最後が小学館かというと、小学館のような凄い出版社の敷居を最初にまたぐのは恐れ多い、と思っていたから、一番最後だったのだ。
密かに憧れ続けた『プチ・フラワー』の編集長に出会った。
小さい目だと思っていた目が、いきなり大きな目に変わる、珍しい目のおじさんだった。
何でもこの人が、かの竹宮恵子、萩尾望都を生み出したベテラン編集者だというから、そんな凄い人に自分のマンガを見て貰うなんて、これはもの凄い経験である。
そしてこの編集長が、私に仰った言葉、

「話は書けるね。」

という一言が、後の私自身を支え続ける一言になった。
人間、自分を成長させてくれる大人物には、人生のどこかで出会っておくべきである。

結局、私が漫画家の夢を諦めたのは、思いのほか絵がヘタクソだったからなのだが。

その編集長には「自分の線が、まだ出ていない。あと300枚は描け」と助言を頂いたものの、私は「凄い編集者に会った」というところで得心がいき、悔いも情熱も、思い残すことが無くなった。
もしも300枚を描く情熱があって、しつこく持ち込み投稿をし続けていたならば、私は今頃、漫画家だった…?