私が書いたこの脚本には、ジャンヌ・ダルク役があった。
ジャンヌ・ダルクが大天使ミカエルのお告げで、神懸り的に戦いはじめるカンジが、霊に憑かれて、霊の声を四六時中聴いている私自身、妙に親近感を覚えたためだったか。
それで、脚本を書くために、ジャンヌ・ダルクのことが書かれた本を探していると、演出家の先生に、
「バーナード・ショウを読め。」
と、言われた。
先生も、難しいことを仰る。
うっかり「何ですか、それ?」と答えて、「知らないのか!」と嘲るように笑われたことが、今でも記憶に焼きついている。
…高校生でそれを知っているのも珍しいと思うんだけど、と先生に反抗するようだけど。
バーナード・ショウの作品で馴染みがあるものといえば、オードリー・ヘップバーン主演の『マイ・フェア・レディ』。…あれの土台がバーナード・ショウの戯曲『ピグマリオン』だった。
先生が読めと言ったのは、バーナード・ショウの『聖女ジョウン』。それこそが、ジャンヌ・ダルクを描いた有名な戯曲なのだそうな。
先生に「読め」と言われた割に、私はまだバーナード・ショウの戯曲を一つも読んでいない。…演劇科の生徒にあるまじき、である。
しかし、読んでいない理由は、バーナード・ショウの作品が、文庫など、一般的に入手しやすいような価格の本として売られていないからである、と言い訳してみる。
死ぬまでに一度、読んでおきたいとは思っている。